不調な日

 クボタのタイヤが、また潰れていた。まだ完全に直っていなかったのだ。雨は降りそうな、降らなそうな・・・。朝から、うつ病の調子が悪い。早起きしたのに、11頃まで仕事に行けない。知らない人が見れば、タダの怠け病だ。最低限の牛の世話をして、一旦帰る。
  
 午後からも、重い気持ちと戦う。予報が雨なので、牧草はいじらないで、電気牧柵の漏電防止作業(刈り払い機で付近の草を刈る。張り替える)と、臨月の4頭を連れ戻す作業、若牛達に新しい放牧地(チモシーが花を着けていた)を解放してやり、牧柵に倒れ込んできた柳の木を、チェーンソーでぶつ切りにしてやった。
 電気牧柵を張り替えて、あたらし放牧地に行けるようにしてやっても、うちたちはなかなか行けないものである。最初に牧草を食べ始めたのはヒカリだ。もりもり食べている姿を見てうらやましくなった他の牛達は、徐々に異動を開始した。たぶん、腹をこわすまで食い続けるだろう。
 
 飯を食って、夜牛舎に行ったのは、9時過ぎだ。やっているうちにさらに気分が悪くなり、動けなくなって座り込んでしまった。
 農業用ネコのメープルが、側に寄ってきて慰めてくれた。(本当は腹が減っただけ?)ゴンタなら、体をこすり付けて、隙あらば膝の上に乗ろうとするだろうし、ドラならウムも言わさず膝に乗ろうとしただろう。距離を置いてくれるメープルで良かった。
 そのうち、腹を空かせた子牛が絶叫を挙げ始めたので、やむなく仕事を再開。終わったのは、11時過ぎだ。 
沈みきった俺の顔を見て、娘がニッコリ笑ってくれた。