間違い!

 あまり意識をしていなかったが、出荷前日である。削蹄も牛体のクリーニングも終わっていたから、けっこう安心(油断)していた。
 仕事には、優先順位があり、人手不足の時は、最優先の物から進めていくべきである。一人体制になってから、ルーティンワークが最優先となり、イレギュラーな仕事や冬支度は、後回しになっていた。
 
 湾放牧地に行ったら、牛が2頭脱走していた。ここの柵も、腐食してボロボロになっていたのだ。わずかに残ったバラ線を持って、修理に行った。ここは、脱走しても目の前が採草地で他所を襲うことも少ないし、エサを持って呼べば、すぐにスタンチョンに入ってくれる。明日でも良い作業だったけど、ついやってしまった。一時間くらいで、脱出口を塞ぐことが出来た。
 硫黄島に、新しく牛飼いさんが誕生する。その人が使う牛舎建設予定地に行った。
 そこは、風が通る高台になっていて、猛烈な風が吹き抜けていた。最初は、もっと低い位置に建てる予定だったらしいが、風を理由に変更になったと聞いていたが、今日の風の場合は下の方が風は静かだった。風が強いと、仕事をしていても疲れるから、きっと暴風対策をしないとならなくなると思った。
 そのときは、北東の風が吹き荒れていたから、みんな建物を南西向きに建てるように言っていたけど、一番対策を立てなければならないのは、北西の風のような気がするのだが、どうだろう? 
 
 自分の牛舎に帰り、明日出荷する牛に化粧もくしを着けて、番号札を着けていて、驚いた! 出荷する牛が、隣の部屋と入れ替わっていた(T_T)/~~~ 大きいし、てっきりそのまま端っこの部屋の4頭を出せば良いと思っていたのだ。慌てて、隣の部屋の出荷牛を捕まえ、鼻輪を取り付け、ブラシをかけて、引き牛の練習をした。一度引いておくだけで、ずいぶん違ってくるものだ。
 トレーラーの修理の途中だった。溶接箇所を、防錆塗装しようと思って板を取り付けていなかった。慌てて取り付ける。
 トラクターも、パワステオイルが通るパイプの穴を塞ぐつもりで、機械小屋の方に起きっぱなしだった。バッテリーを新しい物に交換して、牛舎に持ち帰り、トレーラーに取り付けた。
 
 昼間のうちにやっておくべき作業だった。昼間に、イレギュラーな仕事をしたり、久美次郎にミルクを飲ませようと時間をかけすぎた。作業を終えたの尾は、八時前だった。反省・・・。