子牛の出荷

 未明から、子牛に餌をやり始めた。今日の出荷は4頭だが、今回の子牛も大きいので、4頭積みは難しいと判断した。ちょっと焦り気味に作業をした。
 それにしても、いつもなら札を着けるのは出荷当日にしていたのだが、子牛の入れ替わりを出荷当日に気がついていたら、パニックになるところだった。
 引き牛調教を、これまでより時間をかけているだけあって、子牛たちはいずれも素直に引かれ、トレーラーに乗り込んでくれた。一人だと、引き牛調教していない牛に抵抗されたら、牛を全く動かせないことも充分に考えられる。備えあれば憂いなしである。
 牛を運んでいるとき、揚水ポンプのスイッチを入れる時間になってしまった。パワステの壊れた、トレー-ラーを引っ張っているフォードで、狭い路地をスイッチ入れに行くのは難しい。たまたま港であった牛飼いさんに、事情を話して、みんなが使う水を上げるポンプのスイッチを入れてくれと依頼し、俺は二往復目に牧場に上がった。
 牛を積み込んで、坂を下っていたら、先ほど依頼した牛飼いさんが、牛運搬用コンテナを積み込んだダンプで上がってくるところだった。思ったより積み込みに手こずったようである。不安になってトレーラーを停車し、ポンプのところまで走っていったら、やはりスイッチは入れてなかった。人は、他のことを考えていると、忘れてしまうこともある。だから、今のスイッチシステムに合わせて動くのは難しいって言っているんだけど・・・。入れ忘れると、中継地点にあるポンプが空回りして、焼き付きを起こしてしまうのだ。
 出荷牛を運び終えた。今回の子牛も、とても人懐っこく、とても素直に引かれてくれる。みんな、可愛がってもらえよ!