猛烈に忙しい日


 離島に住んでいると、いろいろな用事は船とともにやってくるので、入港の日はいろいろ重なって大忙しになる。
 
 夜明け前に起き出して、昨夜ラップした牧草を小屋に運び込み、綺麗になった自分の畑を耕した。朝飯前に、なんとか播種できる状態に仕上げることが出来た。
 
 隣の口永良部島で、火山が噴火して全島避難になったらしい。硫黄島では、その噴火の様子をうかがえるほど視界は良くなかったし、火山灰も降ってこなかったけど、自衛隊とか海上保安庁の船が行き来するらしく、明日のチャレンジ50kmの開催自体を考え直さなければならないのでは無いかという意見もあり、ちょっと心配させられた。
 
 みんなの畑にも、今日中に播種をすることになっていたのだが、スタンチョン調教中の繁殖素牛のれもんが、夜のうちに首を突っ込んでひっくり返り瀕死の状態だったので、やり方だけ説明してT君にやってもらうことになった。俺は、獣医さんの指示を仰ぎながら、なんとか蘇生させようと努力した。
 機械が空いたので、昼前にうちの畑にも牧草の種を蒔いた。
 船が入港し、チャレンジ50kmの選手と、健康診断の車が来た。選手の人とちょっとだけ話をして、船を置く場所や宿に案内した後は、軽トラックを渡して俺は健康診断に行った。申し訳ない!
 
 とまとがスタンチョンに入ってくれたので、すぐに子牛も捕まると思ったのだけど、子牛は母牛を置いて一目散に逃げてしまった。
 とまとを繋いでおいたのだけど、子牛は戻ってこなかったので、とまとを引いて放牧地を歩き、子牛を見つけ出してからは驚かさないようにゆっくり引いて、一緒に連れ帰った。