速く歩いてください!

 二月は海が荒れやすく、島の生命線であるフェリーみしまはしばしば欠航したり片道日帰り航海になる。そうすると、巡回診療の獣医さんも来ることが出来なくなり、結果的にワクチン接種とか治療とか妊娠鑑定が出来ず、延期されたり自分でしたり・・・。
 何度も巡回診療が延期になると、さすがに牧場にも焦りが生じる。特に、繁殖障害の治療が先延ばしになると、牧場経営にも影響が出てくる。妊娠鑑定でプラスになった牛は、出来るだけ早く妊娠牛放牧地に移動させ、代わりに牛舎から小屋下放牧地や灯台下放牧地に出したいのだけど・・・。
 
 妊娠していたのだけど、まだ若すぎて小屋下放牧地で様子をうかがっていたかぐやを、とうとう若牛専用の湾放牧地に移動させた。歩いて引っ張っていったのだけど、力一杯引っ張ると嫌々歩き出す。全く歩かないなら、車で引っ張ることも考えるのだけど、とりあえず歩くからそのまま歩いて引っ張って、大いに疲れてしまった。抵抗した方が、牛も疲れると思うのだけど、どういうつもりなのかな?