まりか誕生

 歯の治療に行くために、Yumiは鹿児島に上がった。彼女がいなくなると、モチベーションが下がってあまり残業しなくなるのだ。
 
 午後から、発情を見て欲しいって話があった。もう一頭種付けの依頼があったのだけど、急ぎと言うことで・・・。
 行ってみたら、二頭の牛が繋がれていて、どっちが発情しているのか調べて欲しいとか・・・。一頭目は、どちらの卵胞も堅く、たぶん発情していないと思った。二頭目は、右の卵胞の真ん中が、ちょっと膨らんでいて柔らかくなっているような手触りだけど・・・。膣今日を使ってのぞいてみたら、確かに中が充血していて、粘液も溜まっていた。発情は間違いないけど、膨らみは顕著では無かったから、もしかしたら明日の朝もつけた方が良いかもって言ったが、夕方は発情兆候が無かったから、たぶん大丈夫とか・・・。ボンベはT君の物を使い、俺は指導するという形で種をつけた。
 
 夜に駆けつけ通報メールが来て、いろはのお産が始まった。助産することも無く産み落とされたのは、元気な雌の子牛だった。名前は、まりか(百合茂産子)。