たらちねの死

 朝牛舎に行き、たらちねに声をかけて餌をやろうとしたのだが、目を覚ましているのに起き上がってこない。不審に思って近づいてみたら、なんと子宮脱になっていた! 出産後あんなに元気だったし、昼の出産で7時まで観察して帰る時までは、何も異常は無かった。こんなタイミングで子宮脱になるとは思いもしなかった。
 治療をしようと思ったが、すでに瀕死の状態で、まもなく息を引き取った。
 昨日のうちに起こったのなら、それも想定内で、対処のしようもあったのだけど、安産で後産も出た後、十分時間をかけて観察したのに、その後から起こった子宮脱なんて、手の打ちようが無い。とても残念だ。
 垂乳根次郎は、近くで跳ねている。母乳を飲みたいのだろう。
 部屋から出してやり、呼びかけてみたら、俺の後を着いて電柱牛舎に歩いてくれた。母親の異変に気づき、着いていかなきゃ!って思ったのかな? ちゃんと育てるから、心配ないよ。