風の日

 朝から、ものすごく風が強かった。気温も、昨日とは打って変わって真冬並だ! 当然、船は欠航した。帰ってくるはずだったYumiは、鹿児島に足止めだ。
 明日は出荷なのだけど、アルバイトの人の都合を聞いてみたら、新しいバイトを見つけたので、月に一度の単発バイトは難しいらしい。誰か、探さなきゃ! とりあえず、誰か行かないと高額なペナルティー(◎◎円×頭数)が科せられる。俺が行けば良いのだけど、今は種付けがあるので、出来れば島を離れたくない。
 せっかくYumiが鹿児島にいるので、出荷作業補助要因として牧場代表で出てもらえないか、関係各所に連絡してみた。どうやら出来そうだ。
 
 長期不受胎牛を、シダーやギナンドールを使って、なんとか受胎させようとしている。今日は、四頭種付けした。
 これが着かないと、廃用牛として出荷することに決めているので、とても重要な種付けだ。
 猛烈な突風に突き飛ばされたり、近くで放尿している牛からのしぶきを全身にあびたり、道具を吹き飛ばされたり、手袋をめくられたり・・・。
 強風は、精神力を根こそぎ刈り取ることもある。都会で暮らしている人は、この強風の中に一日居たら、疲労で口もきけなくなるかも知れない。寒さと同じで、だんだん慣れるのだけど、暖かい穏やかな日が続いていたから、突然やってくるとかなり疲れる。肩は凝るし頭が痛いし・・・。
 真っ暗になるまで働いて、ボロボロに疲れて家に帰って、さっさと寝た。