満月の夜

 Y君の畑は、大豆を手で植えた後、まだ一度も雨が降っていない。気になって見に行ってきた。確かに芽が出ているけど、かなりまばらなように思えた。一週間、かんかん日照りが続き、播種後の鎮圧も、足で踏んだだけなので、水分の蒸発が激しい。早く雨が降らないかな?
 自分が乾草を作っているときは、雨が降ったら困るのだけど、終わったら地面に潤いが欲しい。まぁ、何時雨が降っても良いように、急いでロールを運ぶのであった。
 一人で運ぶときは、ユニックでロールをつるし上げて、荷台に積んでいくのだけど、二人ならホイルローダーで着いて来てもらうことで、積み込みの時間が大幅に短縮される。
 Yumiにホイルローダーを運転してもらい、積み込みは俺がする。ルーティンワークは、K君が早朝からしてくれている。三人体制だと、いろいろ便利である。
 
 昼頃には、一次破水をしていたのだけど、赤13えいこのお産は、なかなか進まなかった。
 夕方、一旦家に帰り、飯を食ってから出直した。生まれた子牛は、母親とは違う部屋に居た。元々お産用の柵では無いため、子牛が転ぶと、勢いで通り抜けてしまうのだ。
 元に戻し、母親に着かせようとしたけど、転んでまた柵を通り抜けてしまった。サプリメントを飲ませたら、こちらは上手に吸った。だが、人口初乳は全然吸わなかったので、ストマックチューブで飲ませた。
 満月が綺麗な夜だったので、子牛の名前はかぐや(金幸福産子)になった。