六月燈

 朝は、K君に任せて、俺は六月燈の準備に行った。俺達は、どちらか一人は、牧場の仕事をしないとならないのだ。
 焼きそば担当の俺は、開発センターのキッチンに行き、野菜の仕込みをした。今度こういう機会があったら、自分の包丁を持っていこう!
 
 合間に、刈り取った牧草の反転作業をする。とても気温が高く、牧草はすごい勢いで乾いていった。俺は、牧草の乾いていくときの匂いが好きだ。
 
 夕方から、六月燈が始まった。
 みんなが集まる前に、焼きそばを10人前ずつ焼く。焼き係は、料理長が全て担当するので、俺達はサポートに回るだけで良かった。材料を出したり、焼き上がった焼きそばをパックに詰めたり、ビールを飲んだり、かき氷を食べたり・・・。
 太鼓や踊り、トロンボーンなどの出し物があり、島の人達は、屋台で焼きそばや焼き鳥、生ビール、かき氷などを買って、テーブルで食べていた。島の人達に楽しんでもらう為に開催されている。だから、かき氷も焼き鳥も焼きそばも生ビールも、全て100円!大赤字である。