なんかあった日

 朝から、K君が来なかった。『なんかあったのかな?』って電話したけど、繋がらない。
 9時過ぎにメールがあり、仕事を休みたいと言うことだった。『悩みがあるなら、昼にでも家に来いよ!』と返信して、日常の仕事に戻った。
 
 ハナタレの子牛に注射をしたり、敷きワラを交換したり、子牛をブラッシングして綺麗にしたり・・・。
 

 俺は、午後から畑を耕し応援に行った。Y君のお手伝いだ。
 開墾は(農業は)、孤独な作業だ。作業しているところを、人に見られることは無い。だから、必死の働きも、誰も見ていない。俺は、Y君があまり仕事をしない。と言う話しを聞いて、悲しく思っている。こんな言い方をすると気を悪くする方もいるかも知れないけど、俺は彼ほど身体を使うことを厭わない若者も、珍しいと思っている。だから、暇では無い自分の仕事の合間を縫って、手伝いたいと思っている。
 開墾作業は、機械だけで無く、手作業がとても重要だ。それは、誰かのペースに合わせて出来ることではなく、自分のこだわりで自分のペースで自発的に、コツコツする仕事なのだ。誰かに手伝ってもらっているときは、なかなか自分のペースで仕事が出来ないから、腐ってしまうことだってあるのだ。
 開墾は、生半可な精神力の人には出来ない。肉体的にも精神的にも、ものすごいエネルギーを必要とする。そんな事をしようと言う若者が来たのだから、暖かく見守っていやれないものなのだろうか?