削蹄・・・

 出荷の鐘福太郎を、引き牛調教した。今回の競りは、俺は島に残り、彼女に行ってもらうことになっているので、女性でも引ける牛に調教しなければならない。
 これまで、ずっと牛舎で育ち、餌の時に飼槽を挟んで声をかけて撫でていたけど、もくしを着けたり、引っ張られるのは別である。
 鐘福太郎は、もくしを着けられるのは抵抗したけど、引っ張られることには思いの外従順だった。最初の方は、跳ねたり追い越して走ろうとしたけど、すぐに歩き始めた。牧場内をしばらく引いて歩いたけど、とても大人しい牛だと思った。 
 調子に乗って、そのまま枠場に入れた。鼻輪も、顔をよじって抵抗するなんて事はせず、素直に受け入れたから、狙い通りの位置に着けることが出来て、痛くなかったはずだ。
 ところが、削蹄しようと前足を上げると、身をよじってひっくり返る。だから、ひっくり返る前に、前足を下ろしてやらなければならなかった。これでは、削蹄できない。。
 
夕方、Y家の訪問があったので、それに合わせて仕事をした。仕事の合間に魚の下ごしらえをしたり・・・。
 硫黄島の水道は、とても水温が高いので、手早く作業しないと、魚の鮮度が損なわれる。硫黄島に移住して4年目になり、このことにもだいぶ慣れてきたけど・・・。今日のメニューは、黒鯛の刺身と、黒鯛とイシガキダイのムニエルだった。
 お客さんをちょっと待たせてしまったけど、話が弾んだからいいか! ムニエルは、イシガキダイの方が評判が良かった。