しばしの別れ

 彼女が、東京に帰る日が来てしまった。今回の滞在は、一ヶ月を超えていた。来るときは、犬一頭猫二匹を連れていたけど、帰りは単身なので身軽だ。
 港で、ジャンベの演奏に見送られながら、彼女は船に乗り込んでいった。
 
 残された俺は、仕事をするしか無いのだ。
 硫黄島は、数日前に梅雨入りしたようで、毎日よく降るのだ。
 洗濯物を外に干せず、部屋干しするからちょっと臭う。扇風機の風を当て、出来るだけ窓を開けるようにしているけど・・・。
 一人になると、食事も美味しくないのだ。