さつき誕生

 本当は、いろいろあって、書くことも沢山あるのだけれど、書く暇が無くて時間が経ってしまい、後から書こうとすると忘れてしまっているのが現状(^^ゞ
 
 3日の夜10時に、駆けつけ通報メールが届いた。時間を置いて行ってみたけど、ゆきえのお産は全然進まず、一時を過ぎてからしびれを切らして助産を開始した。
 内診してみたら、前足も頭も正常な位置にあった。足の太さから、雌と判断。前足に産科テープをかけて、体重をかけてみた。滑車を使えば簡単だけど、手で出せるならその方が良いと思っている。手がちぎれそうなくらい引っ張って、それでもなかなか出てくる物ではない。声をかけながら、引っかかっている頭をずらしながら、少しずつ引っ張り出したのは、ちょっと大きめサイズの雌子牛だった。名前は、さつき(金幸福産子)になった。
 さつきは、一時間後に母親の初乳を飲み、ようやく解放された。
 
 朝が辛いのだ!
 とりあえず、あおいと千太郎を、哺乳ロボット小屋に進学させた。いつも通り、ほ乳瓶で誘導したのだが、小屋に入ったら他の子牛達に揉みくちゃにされて、俺も彼女も股間に何発も強烈な突きを食らった。そして、手から餌を貰いたくて殺到した子牛達の相手をしていたら、作業服がよだれで濡れてしまった。俺は、子牛達とそういう関係になる事が、良い牛を生産する秘訣だと信じている。
 
 出産を終えたのぼる(金幸)とすずこ(安茂勝)を、小屋下放牧地に放した。小屋下の牛が満員だったので、かずえ(第一花国)には灯台下放牧地に移動して貰った。
 かずえは、餌の時間が大好きで、呼ばれるといつも真っ先に駈けてきて、一番のスタンチョンに入る。尻尾が短くて、ぶんぶんと振り回しても、ハエを追えないかずえだけど、俺のとても好きな牛の一頭だ。