お出迎え

 結局、俺はあまり綺麗に片付けることが出来なかった。
 牧場に行き、超早期母子分離したあおいをはじめ、哺乳中の子牛達にミルクをやってから、家に帰り鹿児島に発つ準備をした。(前の晩にやっておけよ・・・)
 軽のワンボックスごと船に乗り、鹿児島に向かった。車内の床には牧草クズや泥が蓄積しており、手が回らなかったことを後悔させた。
 
 船が鹿児島に着く前に、飛行機が鹿児島に着いたと連絡があった。空港に急ぐ・・・。と言っても、おんぼろな軽なので、制限速度の80km/hにも満たない速度で、のんびり走る。
空港では、ゲージを二つ持った人が待っていた。二週間ぶりに会うその人は、相変わらず素敵だった。
 みんな車に積み込み、鹿児島に帰る。車の中で自由になった犬や猫は、それぞれ車内や俺を偵察していた。花の苗と猫トイレを買って、馬事公苑に行った。でも、T君は会議でおらず、ソックスに乗ってくれた高校生のK君が、一人で練習していた。彼は、一段と背が高くなっていた。
 道はよく解らなかったけど、加世田を通って笠沙のU爺のところに向かう。思ったより時間がかかり、着いたらすぐに真っ暗になった。だけど、月が出てきて、綺麗な磯の風景を照らしてくれた。U爺は、優しく向かえてくれた。話は弾み、11時過ぎまで語り合った。