あんずの誕生

 牧場に水を汲み上げる揚水ポンプの、コントロールが上手く機能していない。手動スイッチを使えば、送り元の水がある限り、普通にポンプアップできる。だが、タイムスイッチにすると、トラブルが発生する。牧場の水不足になった時、真っ先に断水するのは俺の牧場なので、必然的に俺が交渉人にならざるを得ない。
 
 いろいろ仕事をしているけど、牧場の美化にも関心が無いわけでは無い!
作りかけだった花壇に、石灰を撒いて土と混ぜ、周りにブロックを並べた。
 完成した花壇に、農業猫のソラが穴を掘ってうんちをして、カイトが寝そべって守りを固めた。どっちも、花を植えたら駄目になりそうで・・・。
 
 家に帰って、飯の準備をしたところで、一次破水したというメールがすずこから届いた。急いで飯を食って、牛舎に直行!
 袋が垂れ下がり、二次破水する前だった。やがて、袋が破れて前足と舌が見えた。待っていたら、なかなか進まないので、手で両前足を引っ張ると、やがて身体全体が出てきた。
 生まれたのは、またしても雌だった。名前は、あんずになった。自力で初乳を飲むまで待ってから、帰宅した。