4月競り

 競り当日だったが、朝から大事な電話があり、対応していたら危うく競りに遅刻するところだった。慌ててホテルを出て、役場までひたすら走った。定刻ギリギリに着き、バスは俺を待っていてくれた。ありがとう。
 
 伊集院の鹿児島中央家畜市場に着き、すぐに牛舎の牛達を、ロープで繋いで札を着ける。そして、所定の位置にそれぞれ引いていった。
 春は、毛が抜け替わるから、牛はもともと綺麗なのだ。一応、ブラッシングした。
 ブラッシングしながら、今回も良い牛に仕上がったな〜って自画自賛してしまった。良い体型していると思うんだ!
 
 福子太郎(金幸福)は236日令で276kg。478,000円。
 かんな(勝安竜)は、258日令で292kg。405,000円。
 桃茂次郎(金幸福)は260日令で318kg。516,000円。
 相場は、上がって来ていると思うし、高く評価されてきて来たと思うけど、頭数が少ない!
 それでも、かんなは勝安竜なのに、よく頑張ったと思う。
 これまで、わざと目だつような服を着て、俺と俺の牛を覚えてもらおうとしてきた。これは、良い牛を出すと購買者の方に良い印象を持ってもらい、今後俺の牛が高くなる可能性がある。
 そして、桃茂次郎の前に俺が立っていたら、
「身体を真っ直ぐさせてみて。」
とか、
「こっち向けて。」
と注文が入るようになって来た。きっと競ってくれているのだと思う。俺のやってきた作戦も、だんだん形にになってきたかな? 問題は、頭数が少ないことだ。