久々の大脱走!

 あっちこっちが痛いから、でかける準備も大変である。湿布を貼ったり、包帯できつく巻き上げたり・・・。
 風が強く、鹿児島から上がる船は、欠航した。K君は、天気図や波予報を見て、きっと出ると信じて昨日の船を見送っていたけど、ここの船は三島海域の波ではなく、種子島屋久島地方の波予報を見るから、島周辺の波が静かでも、種屋久の外側に波が来ると、欠航することが多い。今回は、それが当たってしまった。
 K君は、明日の船で鹿児島に上がり、高速バスで故郷に帰る予定だったが、今日欠航したため、明日は日帰り片道航海になり、バスの出発時刻には間に合わない。予約を飛行機に変えていた。これが、離島の不便なところだ。
 
 とりあえず、俺は近所の牛の種付けに行った。雨が本格的になる前に、何とか種付けを終わらせることが出来た。
 雨が酷くなったので、書類書きをした。と言っても、俺はコーヒーを入れて茶菓子を用意するだけなのだが・・・(^_^;)
 
 午後の牛舎に行ったら、脱走牛が押し寄せていた。二人がかりで、柵の中に追い込む。農作業は、二人いると全然効率が違うのだ!
 牛は、大浦からやってきたアヤと、小屋下放牧地のみんなだった。
 まず、すぐに脱走場所が解った大浦のバラ線を張り直した。
 小屋下放牧地のバラ線は、破れていなかった。すると・・・飛行場のフェンスがボロボロになっていて、大穴が空いていた。
 K君にルーティンを任せて、俺はフェンスの穴を塞ぎに行った。錆びて金網がボロボロになっている。牛が触ると、すぐに穴が空くだろう。だから、まだ空いていないところにも、予防的にバラ線を張ってきた。バラ線があると、金網を破ろうという意欲が無くなるからだ。これで、時間稼ぎが出来る。
 飛行場に、脱走牛を呼びに言った。呼んで移動した牛は、そのまま餌で呼びながら、小屋下放牧地に連れ帰った。
 呼ばれても動かなかった二頭は、捕まった一頭だけ引っ張って連れ帰り、捕まらなかった一頭は、大浦放牧地に追い込んだ。
 一人の時じゃなくて、良かった!