恥ずかしながら、種付けが上手くいっていない。毎月、5頭くらいは留まってくれているけど、何度種付けしても留まらなくなった牛が、多数いる。この牛達をどうするかが、最大の課題である。
 忙しいのと、指導してくれる人がいないのを理由に、あまり内診をしてこなかったし、直腸膣法の練習もやらなかった。まだ免許を取る前は、一回とか二回の種付けで、妊娠していたのだけど、温度計が狂っていた事件の後、すっかり体調を崩した牛達は、全然種が着かなくなった。
 これはやばいと、卵巣を確認して、卵胞の存在を診るようになったけど、これだって、『たぶんこれが卵胞だべ! これくらい柔らかければ良いのかな?』と勝手に思っているけど、果たしてどうなのかな? 先生が月に一度島に来るけど、その時はワクチン接種や妊娠鑑定が忙しく、技術を教わる暇なんて無い。
 それでも、研究しないと、技術は向上しない。
 発情の外部兆候として、スタンディングしているのを見つけたら、これまでは半日おいてから種付けしていた。だけど、それではまだ発情が続いていることが多く、『やけに長引くなぁ!』と思うことが多く、1日おいても尚、まだ発情している事もある。
 卵胞を何となく触ってみると、半日目のモノは、まだ小さいような気がして、一日おくと大きくなっているような気がして・・・。でも、無くなっている(排卵した)こともあり、判断に苦しんでいる。
 とにかく、今は妊娠させることを先決で考えなければならない。
 牛の栄養状態を良くするために、放牧地に乾草を置いてやったり、配合飼料や大豆カスを与え、ビタミンを飲ませたりしている。牛の状態が良ければ、下手でも種が着きやすいかと思って・・・。
 発情が長引く事が多くなっているから、一発情で二回種付けをしてしまうことも多かったのだが、卵胞の膨らみ方によって、翌日の方が良いかと判断してみたりしている。
 教えてくれる人がいない以上、自分で試行錯誤するしか無いかな?
 赤10おとひめが、午前中スタンディングしていたけど、午後内診したら、卵胞が小さかった。種付けは、明日の午前中にしようと思った。明日、その卵胞がどうなっているだろうか?