廃用牛出荷

 廃用牛出荷の日になってしまった。
 結局、他の候補の牛は、まだ妊娠鑑定出来なかったので、黄色29けいこだけ出荷となった。
 いつも、人に従順なけいこだが、枠場では無く家畜運搬トレーラーに乗せようと向きを変えたら、引かれるのを抵抗した。
 積み込んで、近所の牧場に向かい、もう一頭廃用牛を積み込んでから、港に向かった。
 痩せっぽっちのけいこに比べ、友人の牛はとても大きく、けいこに体をすり寄せてきたため、壁との間で挟まれてけいこが辛そうだったので、つなぎ替えてちょっとは楽になるようにした。ゆっくりゆっくり進み、揺れないように気をつけた。
 お疲れ様。餌は、沢山食べるんだよ!
 
 硫黄島は暖かく、2月だというのに、蛇がいた。暖かいから、冬眠から冷めたのか? 夜には、普通にウマオイが合唱していた。