役に立つ牧場犬

 今週、鹿児島に上がるK君は、休みの入れ替えで、今日出勤すると思っていた。ところが、牧場に行ったら、誰も居なかった。
「あれ? まぁ、良いや!」
 普通に一人で仕事を始めたが、ちょっと立ち止まって考えてみたら、俺が鹿児島に上がるとき、彼は土日出勤しなければならないから、代休はそちらで償還されるはずだ。だから、今日は正当なおやすみじゃん♪
 そう思ったところに、血相を変えたK君がやってきた。
「すいません。遅刻しました!」
 とても、恐縮している。そこで、代休のからくりを説明して、今日は休んで良いことを伝えたら、ちょっと恥ずかしそうに帰って行った。大丈夫! 俺も、解ってなかったから・・・
 
 見回りで、灯台下放牧地に行ったら、スタンチョン広場前のイタリアン畑に、黒い塊が飛び回っていた。
 昨日、柵を閉め忘れたみたいだ。これは、興奮させちりぢりに走られると、一人ではどうしようも無い。
 そこへゴロウとカイトが乱入して、牛を走らせようとしたので、一旦俺の方に呼び戻して、待たせた。そして、俺はちょっと遠回りして、群れを出入り口の方に追い返した。犬たちが見張っているから、とんでも無い方向に走り出したりせず、全員無事に放牧地に追い返すことが出来た。
 一人の時、意外に役に立つ牧場犬達なのだ!