哺乳ロボット修理

 昨日、船が欠航した。すると、その船は翌日である今日、鹿児島から片道日帰り航海となって帰ってくる。おかげで、明日出なければ帰れなかったのが、ちゃんと帰れるようになった。
 困ったことに、車検に出していたユニックが仕上がるのは、今日の夕方だ。車検の車は、本人が運転していると、運転手代は車の運賃に含まれ、且つ、運転手が居ない時に比べて1000円安い。でも、早く牧場に帰りたいから、ユニックは一人で帰ってもらおう。
 弁当やらモスバーガーを買って、船に乗り込んだ。
 船の中では、牛飼いさん達が集まって、今回の高かった相場や、凍結精液の入手ルートとか、となり島の種雄牛とか、いろいろ話を聞けて良かった。
 
 牧場に着いたら、まず哺乳ロボットを見た。数日前に子牛がロボットの管理室に侵入して、めちゃめちゃにしてしまい、それ以降ちゃんと動いていないらしい。
 部屋の床には溶けたミルクが大量に流れ出し、ヨーグルトのようなチーズのような匂いがしていた。なかなか悲惨な状況・・・。
 調べてみたら、すぐに原因がわかった。ミルクを溶かす機械から、子牛にミルクを飲ませる乳首までつながっているはずのチューブが、外れていた。これでは、子牛は一滴もミルクを飲めない。一応、K君には指示して、ほ乳瓶で飲ませてもらっていたけど・・・。
 新しいチューブを繋いだが、子牛たちはこれまで吸ってもミルクが出なかったので、吸うことを忘れていた。とりあえず、一頭ずつ捕まえて、乳首に吸い付くことを教え直した。
 床に、ミルクがこぼれて臭くなりそうだったので、ホースの水と箒で、綺麗に洗い流した。明日から、ちゃんと飲めるようになるだろうか?