自分の事なら、俺はさんざん怪我もしているし、どういう怪我がどの程度の傷になるかも想像できるから、それなりの対応もできるけど、K君はまだ若く、遠慮するから心配である。だから、いろいろ電話で話すのだけど、上手く言えないから焦れったかった。
 怪我をしてから三日も経って、やっと病院を受診できるという現実は、離島に住むからには当然受け入れなければならない。でも、その範囲内で出来る事をしてあげたいと言うと、聞く人によっては我が儘に聞こえるかも知れない。
 実際には、看護師さんがテープで留めてくれた傷が、すでにくっつき始めていて、今から縫っても、傷の残り方として大きな差異は無いし、抜糸のためにまた来院しなければならないと言われ、そんなに休んだら悪いと思って、縫うのを諦めたそうだ。
 それを聞いた俺は、今ここで、数日休んだって大したことない。傷はずっと残るのだから、もしも少しでも小さくできるなら、納得のいく治療をしてもらった方が後悔しない。と力説した。彼は、島の看護師さんにも相談して、やはり縫ってくださいとお願いし、ちゃんと縫ってもらえた。良かった。
 
 俺の仕事は、あんまり進まなかった。頭に糠みそが入っているような、もったり重たい頭・・・