調子の悪い日

 嵐だった。今日来る予定の船も、欠航した。
 嵐の日って、俺はたいてい体調が悪い。全身の古傷が痛み、気分が沈みがちになる。こういう時は、何も考えずに、本能的に動くのが良い。
 あっという間にずぶ濡れになってしまうので、小屋と小屋の移動は、傘が無いと悲しい。
 これだけ雨が降ると、発情の見回りとか、種付けとかやろうとしても、ちょっと無理である。牛床が濡れていたから、ちょっと小降りになってから、剥がして新しい敷きワラを敷いてやった。敷きワラを新しく敷くと、子牛が踊り出すのは、北海道も鹿児島も同じなのだ。 
 牛床が綺麗になったところで、ハナタレの子牛には、治療した。
 
 体調の悪い日は、何も考えずに眠りたいのだけど、特に何もできないけど、なかなか寝れないのだ。