後の祭り

 今朝は、5時頃には目が覚めていたけど、体はきつかった。年取ったのかな?
 今日も、まずは作戦会議をして、その後二人で分業しながら、作業を進めた。俺は、修理系なのだけど、あれもこれもあって、なかなか進まない。
 連動スタンチョンが錆びて、一頭一頭ずつ外さなければ動かなくなっていたのだけど、サビキラー二倍希釈を作って、錆びたところに塗ってみたら、サビが黒く変色しただけで無く、動きが良くなった。これは良いかも?
 今日も、湾の若牛三頭が脱走していた。本当に、いったいどこから出ているのだろう? ずるいことに、人が見ているときは、絶対に出入りしないのだ。
 怪しいところは、一応張り替えをしたため、在庫していたバラ線は全部使い切った。硫黄島は、火山ガスがあるため他の島より錆やすい。市販されている普通のバラ線より太いモノを頼んだら、特注で二週間かかるらしい。困ったな!
 
 仕事の終わりに、K君がいつものように見回りに行った。俺は、治療や後片付けをしていたのだけど、いつもよりちょっと早めにK君が帰ってきた。頭を押さえているから、頭痛かな?と思って近づいたら、怪我をしていた。
 脱走している牛を、柵の中に戻そうとしたとき、牛の尻に押されて顔をぶつけて切ってしまったらしい。
 大急ぎで、診療所に連れて行った。
 代替の看護師さんが、二名待機しておられた。牛糞が付着している可能性がある柱にぶつけて切ったから、破傷風の可能性があることと、顔だから出来るだけ傷を残さないようにしたいと言うことをお伝えした。
 傷の深さから考えたら、絶対に縫わないと酷い傷跡が残ってしまう。医師が居ない硫黄島では、応急手当しか出来ない。看護師さんと相談して、形成外科に行って縫ってもらうことにした。船の都合により、行けるのは月曜日になる。それまでは、家で安静にして、診療所で消毒してもらいながら、待つことになった。
 心配だから、俺の家の客間に・・・と思ったが、かえって気を使うからと遠慮して、家に帰っていった。もしも痛かったり、吐き気がしたら、いつでも電話するようにと言ったが、大丈夫かな?
 
 牛の脱走箇所を特定できず、脱走を止められなかったことや、危険箇所に関してもっとしつこく説明するべきだったとか、いろいろ思うことがあるが、後の祭りというヤツだ。ごめん。