久々の海なのだ!

 好きで、一日遅れの日記を書いているわけでは無い。家に帰ると、意識が漏ろうとして、やらなければならない書類も溜まる一方なのに、何も出来ずに眠ってしまうのだ。このままでは、牧場の事務所に行って、みっちりやらないと、書類地獄になってしまいそうだ。
 一日遅れで書く為に、書くべき事の大半を忘れてしまって、面白いエピソードさえ書いていないモノが沢山ある。ボケ防止の意味もあるのに、何も書かなかったらボケ防止にさえならないなぁ。
 
 今日は、港に青い潮が流れ込んでいて、とても綺麗だった。朝出勤したときにそれを見た俺は、ちょっと遊び心をくすぐられていた。
 いつも通り、ルーティンワークはK君に任せた。でも、こういう仕事はする人によって、微妙にやり方が違う。いろいろ細かいこだわりのある俺は、うるさがられてもちゃんと説明するべきだと思っているから、ぶらぶら彼の周りを歩いていることが多い。でも、違うやり方をされて、時間がよけいにかかったり、怪我をされたり、牛に影響が出てしまったりしてからでは遅いので、K君、我慢してね! 
 
 昼飯前に、海に行った。海好きの俺だけど、久しぶりの海に入るのには、ちょっとパワーが必要だ。今日は、フェリーが欠航するほど波風が強かった。でも、せっかくのチャンスは逃したくない。5mmのウエットスーツを着て、カヌーで出かけた。
 猛烈な強風で、カヌーの進路を維持するのが難しかった。
 目的地に着いたけど、カヌーが風で流されないように、しっかりしばってから、海に入った。
 海底まで鮮明に見えるほど、透明度が高かった。ほどなく、ニザダイの群れ、メジナの群れ、ギンガメアジの群れが、俺を取り囲んだ。
 だけど、寒くなったからか? 射程距離まで近づいてくれなかった。4mの長銛が、もうちょっとという所で届かない。一度、カスミアジを刺したけど、取り込みに手間取っている間に、逃げられてしまった。刺さりが浅かったのだ。可哀想に・・・。
 俺は、メジナよりギンガメアジの方が、好きである。でも、射程外なら仕方ない。狙いをメジナに切り替え、テトラの隙間を狙う。穴狙いには、長銛は長すぎる。向きを変えている間に、逃げられてしまうのだけど、それでも大きなメジナを、一尾だけ仕留めた。43cmあった。
 帰りは、向かい風だった。渾身の力を込めて漕いでも、押し戻されることがあるほど、風が強かった。