脱走できないはず!

 今日は、また一人で作業した。
 ルーティンワークをした後、昨日柵修理したばかりの湾放牧地に行った。
 絶対に脱走しているはず無いと思って行ったけど、広い採草地にはいつもの三頭が、のんびりと草を食んでいた。そして、俺の軽トラを見ると、嬉しそうに駆け寄ってきた。それが、本当に嬉しそうなんだ♪ バラ線を開けてやると、スッと入ってスタンチョンに顔を突っ込み、配合飼料をねだった。
 どこから出たのだろう?
 放牧地と海側の崖の間に、竹藪がある。そこに張ったバラ線が、一部朽ちていた。そこから、竹藪の中を通って、採草地に出たようだ。時間をかけて、柵修理をした。イタチごっこだ。でもこれで、脱走できないはず!
 
 寿太郎を、哺乳ロボットに入学させた。
 俺の人差し指を、口にくわえさせただけで、電柱牛舎から哺乳ロボット小屋まで移動してくれた寿太郎は、人が大好きだ。扱いやすいけど、落ち着きは無い! ロボットの乳首に吸い付いていても、突然後ずさりして、まだ自分では乳首に吸い付けない。