訪問者

 未明から雨が降っていて、俺を憂鬱にさせた(T_T)/~~~
 昨夕は、懇親会に出席する為に、お急ぎで作業をしたのだけど、使った工具や届いたエサ袋を、屋根の下にしまうゆとりは無かった。雨は午後からの予報だったし、快晴だったから大丈夫と油断していた。工具は、雨に当たるとあっという間に錆びてしまう。この島の雨は強い酸性なのだ。エサ袋は防水だけど、入口と出口から浸みて、ふやけた餌が黴びてしまう。布団の中で、うんざりしながら雨音を聞いていた。
 
 竹島に入植した牛飼いさんが、うちの牧場を見に来ることになっていた。約束の時間に迎えに行った。来年小学生になる、可愛い娘さんも一緒だった。
 うちの牧場の管理を一通り見てもらい、俺の飼育に関する考え方を説明した。その後、意見や俺が迷っている部分について話を聞くことが出来た。俺は、こういう話しを出来る相手が欲しかった。瀬棚にいた頃は、迷ったことがあったら、牛の師匠や沢山の先輩方に話を聞くことが出来たし、競りに行けば他所の地区の畜産家とも、情報交換をする場があり、牛飼いに関する感覚をいつも研ぎ澄ますことが出来た。今は、そういう情報に飢えている。我流でやっていては、どこかで方向を間違える可能性があるのだ。
 俺にとっては、とても有意義な時間だったので、仕事をしながらけっこう楽しく過ごすことが出来た。隣の島だけど、簡単には行けないのが、ちょっと残念! また来てね。
 
 実はこの二三日、湾放牧地の牛が二頭足りなくなっていた。
 牛達が、崖っぷちの柵を突破しているのを見て、ちょっと不安になっていた。牛は、単独で崖を落ちることはあまり無いけど、下をのぞき込んでいる牛を、後ろから突き飛ばすようなイタズラは、牛って意外にやりかねない。
 一度見に行かなければな!と思っていたところに、お隣の牛飼いさんがやってきて、『74番と99番は、お宅の牛ですか?』と・・・隣の放牧地に、紛れ込んでいるそうだ。湾放牧地からは、けっこう離れていて、間に他の放牧地があるのに、どうやって紛れ込んだのだろう?
 牛に聞いても解らないので、とりあえず迎えに行って、そのまま湾放牧地に引いて行った。どうもすいませんでした。
 
 帰ってからは、雨に打たれた電動工具や扇風機を、エアガンで水気を飛ばし、油を塗ったりCRCを吹きかけたりした。
 錆びなければ良いな!
 
 夜、ゴロウがやけに俺にからんできて、五月蠅かった。そうしたら、突然足下でてんかんの発作を起こした。身体の異常を感じて、不安だったのだろう。夜のてんかん抑制剤を飲ませていたのだけれど、発作が治まったところで、餌と一緒に吐き出してしまった。