妊娠鑑定
今日は、獣医さんが来る日で、しかも母牛登録もある予定だった。
作業をしていたら、電話が鳴り、船の都合で硫黄島で母牛登録をする為に下船できなくなったから、検査する牛を港に連れてきて欲しいと言われた。
助手がいれば、そんなに難しい事も無いのだけれど、二カ所に別れている検査対象の牛を、三頭連れて行くのは無理だ。とりあえず、二頭連れて行こう!と、勝手に考えながら、作業をしていた。
こういう日に限って、昨夕種付けした牛が、まだ発情行動を残していたりするのだ。もう一度着けるしか無い。
トレーラーを引っ張る準備をする。トレーラーを引っ張るトラクター、フォード6600は、バッテリーの端子を外していたのに、放電してエンジンはかからなかった。充電を開始した。
一旦、昼飯に帰り、急いでチャーハンを食べていたら、汽笛が鳴った!
まだ、あと一時間くらい時間があるよ! そう思って、運行表を見てみたら、枕崎航海になっていた。これって、夏だけのものではなかったの? 今から運んでも、検査は出来ない。
港に行ったら、同じく検査を言われていたもう一人の牛飼いさんも、枕崎航海と知らずに居て、運び損なったそうだ。
明日、引き返す船に合わせて、連れてくるように言われたが、かなり強引な日程だ。
獣医さんが来る前に、ワクチン接種の子牛たちには、おもてを着けておいた。これで、作業速度がかなり速くなる。
先生が来てから、一頭一頭おもてをつかんでロープで固定。口にヘラを入れて、ワクチンを注射していった。
ワクチンの後は、去勢遅れの丸美次郎を、去勢してもらった。成長しすぎたので、麻酔をかけて手術し、糸で縛って止血した。
妊娠鑑定は、とりあえず捕まえることが出来た牛だけ検査して、6頭妊娠していた。問題は、妊娠していなかった牛達で、長期不受胎のためにバランスが崩れたのか? 中の様子がおかしいそうだ。これから、そういう牛達を受胎させなければならず、楽ではない戦いとなりそうだ。