握りの練習

 実は、昨日の朝、となりの牛が脱柵して、俺の牛舎を襲い、ローズの電気牧柵をめちゃめちゃに破壊していた。 
 この牛は、いつも脱柵するのだが、ローズがとても好きらしく、来るたびに一番奥のローズを訪問し、一緒になって子牛の餌を襲う。
 ローズは、この牛が牧柵を壊さない限り出てこないのだけど、一度出始めると簡単には修理できないので、ローズの脱柵はしばらく俺を悩ませ続ける。
 そして、襲うのは高価な離乳用の餌を入れたバケツだ。これをぶちまけ、よだれをたっぷりかけてくれる。
 豚はきれい好きで、体臭もとても良い匂いがする。だけど、よだれは別で、ローズのよだれがかかった餌は、とても臭い。
 豚は頭が良く、餌があると解ると、かなりの突進力で少々の障害などモノともせず突破する。
 今朝も、40kgの離乳食を、ぶちまけられてしまった。悔しいから、牧柵の機械を修理した。無駄な時間だ!
 
 いおりは、のんびりしている。ミルクを持った俺が、部屋に入ってもキョトンとした顔で俺を見上げ、乳首をくわえさせられてちょっと吸って初めて、立ち上がってくる。今朝は、全部飲めた。
 
 県有牛の精液が届いたので、硫黄島のボンベに移し替えた。
 まず、発泡スチロールの箱に、液体窒素を入れ、その中にキャニスターという容器を沈める。そして、なるだけ精液ストローを空気中に滞在する時間を短くするように気をつけながら、移し替えていく。丁寧にやらないと、今後の種着け作業が徒労に終わってしまうので、焦らないでゆっくりやった。
 
 実は、昨夜もそうなのだけど、漁師さんから買った天然物のカンパチで、寿司を握った。
 普通、自分の為に面倒な料理はしないのだけど、ゲストが来たときに、さっと出せるよう練習なのだ。
 今回は、酢飯を美味しくすることに、重きを置いた。炊きたてのご飯を、すぐに寿司桶に移し、間髪を入れずに寿司酢を混ぜ、落ち着かせた。とても握りやすかったし、美味しかった。
 ネタは、昨日はパキッと堅すぎ、酢飯に馴染まなかったけど、今日は味がシャリと一体化してとても美味しかった!
 自分史上、一番美味しく出来た!
 
 ここ一週間くらいの写真を、アップした。興味があったら、見てください。
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