台風の後

 台風明けの朝は、牧場に行くのがちょっと怖い。
『牛が無事で、何も壊れていなければ良いなぁ!』
 車を走らせたら、牧場の登り口で土砂崩れがあり、車は通れなかった。巨大な岩なので、人力で撤去することは無理である。仕方なく、車を安全なところに止めて、歩いて牧場まで登った。
 牛舎について調べたが、特に壊れている場所は無かった。ホッとする。
 ホイルローダーで、落石を除去しに行く。
 本当は、安易にやるべきでは無いのかも知れない。二次災害が起こる可能性もあるのだから。落石は、かなり高いところが崩れ、斜面のササをなぎ倒して、道路に落ちていた。ホイルローダーでも、けっこう手応えのある、重い岩だった。崩れたところは、むき出しの岩になっており、今後も台風や大雨の時は、この斜面には近づくべきではないと思った。
 
 牛舎に、雨の降り込みはあまり無かったようで、敷きワラは濡れていなかったけど、子牛たちはけっこう疲れていて、食欲が無い者も見られた。
 
 大荒れの時、発情観察には行かなかった。基本的に、牛は竹藪の中から出てこないし、発情を発見したとしても、外での種付けは不可能だ。
 でも、今日見てみると、発情行動によって尻が剥けている牛が、数頭いた。台風の中、発情していたらしい。