家畜衛生保健所の人

 今日は、子牛検査とか衛生指導などに、家畜衛生保健所の人達が来ることになっていた。そのつもりで、仕事をした。
 ルーティンワークの後、アルバイトに、ロール転がしを依頼した。
 窓の外に置いたユニックの荷台に置いたロールを、転がして切り草小屋に入れ、所定の場所に移動させる。ホークと二人でやってもらった。ホークには、ロールが動いたりちゃんと置けたときは、
「すごーーーい!さすがK君」
と言うように指示(^_-)-☆ 男は、女の子に褒められると、いつもより強い力が出せるし、疲れも感じにくいはずだ。もしかして、俺だけ?
 
 家畜衛生保健所の人達が来た。
 獣医師を目指すホークは、採血をする獣医さんに着き、お勉強だ。
 俺は、アルバイトと、ルーティンワークを進めた。
 やがて、うちにも家保の人がやってきて、子牛登録の為に、鼻紋を取った。
 
 仕事を終えた後、ホークと獣医さんと俺と、三人で海に行った。ウミガメを見る為だ。
 俺は、思う所あって、4mの銛を持参した。
 ウミガメは、俺が見つけてから10秒程度後に、俺に気がついて逃げてしまうことが多い。だから、俺のすぐ隣を泳いでくださいね! とお願いしたのだけど、他にも魚が沢山居るから、つい写真を撮っているうちに、遅れてしまうよね?
 最初に会ったカメは、俺しか見ることが出来なかった。2頭目は、大きなアオウミガメで、海草を食べているところを、みんな目撃できた。3頭目も大きかったけど、ホークにしか見せてやれなかった。
 それとは別に、ギンガメアジの群れが通りかかったので、一尾仕留めた。

 他の回遊魚にも言えることだが、一尾捕ると、何事が起こったかと他の魚が集まってくる。俺たちの回りを、ツムブリやギンガメアジ、カンパチ、カスミアジなどの群れが、ぐるぐる泳ぎ回るという感動的なシーンが出来てしまった。俺は、もう一尾ギンガメアジを仕留めた。もっと捕れたが、必要無いのだ。
 美しい夕焼けを見ながら、温泉に浸かり、帰路についた。
 
 今日は、ホークがジャンベを習いたいと言うことだったので、俺は、刺身や寿司を作って待つことになった。昨日捕ったハタは、良い感じに落ち着き(熟成され)、美味しい寿司になった。
 先ほど捕ったばかりのギンガメアジも食べたいと希望があったので、強引に刺身にしたけど、まだ死後硬直が始まったばかりのギンガメアジは、身がとんがっていて、堅くて味がしなかった。昨日のツムブリの方が美味しかったという意見が出たが、ツムブリは午前中に捕って、夕方食べた。ギンガメアジは、つい二時間前に捕ったばかりだ。みんな、その差を感じていた。魚としては、ギンガメアジの方が美味しいと思うぞ!