脱走劇

 雨が降っていると言う予報だったが、空は青く美しかった。 
 一通り、ホークとルーティンをやって、すずねと福子太郎を、哺乳ロボットデビューさせた。二頭とも、素直に哺乳ロボット小屋に歩き、ロボットの乳首にもすぐに吸い付いた。
 
 見回りに行ったら、湾放牧地の牛が少なかった。大声で呼んだら、隣の放牧地から返事が返ってきた。三頭ほど、勝手に移動してしまったようだ。
 帰って来たがっているなら、バラ線の柵を空けてやれば良いのだが、赤3なつしげは発情して、隣の牛とからんでいた。バラ線を開けるのに手間取っている間に、どんどん藪の中に消えて行ってしまう。追いかけて、追い返し始めたら、開けたバラ線策から、うちの牛がどんどんこちらに移動し始めた。
「アチャー!」
けっこう、時間がかかったりするのだ!
 
 去勢手術をした。
 まず、糞出しをして、部屋が綺麗になったら、ブラシで体を綺麗にしていく。そして、ロープで固定して・・・。
 
 手が着けられずに困っていた書類書きを、ホークが手伝ってくれた。とてもありがたかった。