海の日

 朝から、何となく雨だった。気温は高くないけど、湿度が高くて、ちょっと動くと汗が噴出した。
 ホークも、仕事の流れを覚えてくれた。餌を一通りやったあと、シリンダーカッターで切り草を作ってもらった。真面目だから、夕方の分まで作ってくれた。
 
 一緒に見回りに行った。立っている者は親でも使え! 厳しかった師匠の、大事な教えだ。せっかく助手が居るので、妊娠していない牛に、ビタミン剤を飲ませた。一人でやると、いちいちフタを開けたり閉めたり面倒なのだが、助手が居るとボトルを持って待機してくれるので、素早く飲ませることが出来た。
 
 雨が降っていたら、外仕事はあまり出来ないのだ。
 『ウミガメが見たい!』
娘さん達と同じことを言っている。今日は、べた凪だったので、昼飯前に見に行くことにした。クラゲ避けのライトスーツを着てもらい、貸し出し用のマスクを着けてもらう。あまり、顔にフィットしていないし、目が悪いのにコンタクトをしていない。
『我慢しな!』
冷たく言うしかないのだ。案内しながらも、右手には4mの銛を持っていった。
 水は、温泉水で濁っていた。海底から、ぼこぼことわき出すところもあり、ウミガメは湯治に来ている。ウミガメはすぐに見つかるのだけど、ホークは目が悪いから、良く見えないのだ。
 だが、浅いところで、夢中で海草を食べている、ものすごく大きなアオウミガメを見せることが出来た。
『あ”〜!あ”〜!あ”〜!』
そんなに大声を上げたら、ウミガメが驚いて逃げるでは無いか! だが、喜びが伝わって、嬉しかった。
 その後、たった一匹で泳いでいたギンガメアジに遭遇したので、仕留めて持ち帰る。サザナミヤッコやタテジマキンチャクダイ、ソラスズメダイ、ツノダシ・・・沢山の熱帯魚も居たのだけれど、ホークにはほとんど見えていなかったらしい。レーシックしな!
 
 疲れていたけど、午後からの仕事は手を抜かない!
 雨の中、種着け二頭やった。