乗馬客

 超早期母子分離した福子太郎は、元気にミルクを飲み干した。
 この子は、母親の乳を飲んでいるのか心配だったが、通常均等な大きさの左右の乳房が、大きさが異なっていることがあったので、飲んでいることは間違いなかった。ふくこは、沢山乳を出していると思われる。あとは、俺たちが授乳して大きくするから、ふくこは早く回復して、身ごもってね!
 
 今日は、客人があるというので、全体に仕事を前倒しにした。
 K君がルーティンワークをやり、俺は灯台下採草地に残っていたロールを、全部回収した。
 
 約束通り、5時に客人がやってきた。彼女さん連れだった。
 とりあえず、子牛やローズなどを紹介してから、馬のところに行った。
 遠くに居たポパイとソックスは、呼んだら走ってきた。
 時間が無いと言うことだったので、さらっと馬装して、俺が乗って調整する下乗りもほとんどせずに、乗ってもらった。乗馬感覚を味わってもらう為に、基本的な止め方だけレクチャーしたあと、俺が前を歩いて、ポパイで着いてきてもらった。俺はポパイを引き綱で引くわけでは無いので、自分で乗っている感が有るのでは無いかな?
 ソックスを馬装してくれたので、俺がソックスに乗って、先導してみた。ポパイの方が上位なので、ソックスにそのままついてくるわけでは無いけど、わりと良い感じで歩けた。
「ソックスで、高速走行してくださいよ!」
気安く言ってくれる! 久しぶりの乗るから、俺の状態も良くないし、雑草が伸びて馬場(放牧地)の足下が見えない。さらに、ソックスの調教も崩れてきているので、全力走行というわけにはいかなかった。ちょっと安定感が無くなっている。足場が悪いから、以前のような無謀な全力疾走にはならなかった。ちゃんと、除草しよう。
 ポパイの方が、見せられる走りが出来ると思ったけど、年寄りのポパイを、いきなり走らせたくは無かった。徐々に負荷をかけ、調整していこうね!