親裵子

 今日は、柱松作りや、親裵子の漁だった。俺が柱松作りに参加し、K君が午前中の牧場作業を担当した。
 要請があり、畜産組合のホイルローダーで出かけた。柱松を立てる砂浜には、先日清掃したばかりだったのに、ゴミが沢山打ち寄せられていたのだ。
 柱松を作り、立てる作業は3回目だ。指導する先輩方の下、竹を束ねて太い柱にしていく。
 作業しながら、去年に比べて進行が遅いと気がつく。これが立たないと、親裵子の魚取りには行けないのだ。
 誰も着手していなかった、二本目の柱作成に入る。
 手持ちぶさたにしている若者が、けっこういたのだ。俺はしばる為の若竹を砂地に置き、乾燥した竹の束をその上に置いた。ある程度の太さになったら、先輩方に指導を仰ぎに行った。
 と言うことで、竹を束ねた太い柱が、二本出来た。それを、みんなで立てる。
 俺は、もうちょっと投げた松明が乗りやすいように、てっぺんを緩くするように提案したが、却下された。乗りにくいところに乗せるのが、ミソらしい!
 
 俺は、ゴミをバケットに積んだホイルローダーで、ゴミ捨て場まで行ってから、牧場に返しに行った。行っている最中、船が出るから急ぐように電話で言われ、大いに焦った。
 大急ぎで、荷物を持って、港に駆けていったら、大事なゴムを落としてしまったのに、気がつかなかったのだ!
 船に駆け込む。
 昨日までの凪と違い、けっこう荒れていた。最初のポイントは、潮が速く、ポイントにとどまることが難しい為、次のポイントに移動。酔わないように、甲板の上で横になる。しぶきがドバドバかかる。
 坂本温泉に近いポイントだった。俺は、去年行った離れ根のポイントに行きたかったが、それでは楽しめる人が少ない。ここも、メジナのポイントだった。大型のメジナが沢山泳いでいた。
 揺れる船上で、予備の銛からゴムを外し、長銛に取り付けて出動した。穴の外から、特に好奇心が強いメジナだけを、狙い撃ちした。岩の中をのぞき込むと、もっと大型のメジナが見えたが、銛を痛めたくない。三匹突いて、船に帰った。
 
 釣り隊と合流し、船上で昼食になった。
 まだ、モチモチする刺身を、おにぎりと食べる。俺は、おにぎりを作る暇が無かったので、ドーナツだったけど、一つ分けてもらった。美味しかった。K君に、潜りを楽しみたかったら、食べ過ぎないように忠告した。
 次のポイントは、島の北西端で、湾放牧地の下の岸壁地帯だ。
 入って間もなく、イソマグロが二尾、水深8mくらいのところを泳いでいるのが見えた。魚は、追いかけても追いつける物ではない!
 大物に会いたいなぁ! と思いつつ、崖沿いに泳いでいく。ときどき割れ目があり、大型のメジナが群れていた。二尾だけ突いたけど、それを手に持ったまま銛の操作をしたため、銛先の引っかけが甘く、三尾目を突いたら、銛先ごと逃げられてしまった。
 仕方なく船に帰ったら、大物の瀬があると言う。しかも、そこを潜っている人から、凄く大きなアカジョウが泳いでいるとか・・・。時すでに遅し!俺には予備の銛先が無いから、手も足も出ない。また今度ね(^_-)-☆
 
 一度牧場に帰り、大急ぎで作業を済ませる。
 刺身が沢山待っていた。おにぎりが欲しいところだね。
 空きっ腹に飲んだから、凄く酔っ払ってしまった。