汗だくな日々

 出かけようとしたら、ハイラックスのエンジンはまたかからなかった。充電してもかからないし、これでは仕事にならないので、お休みのK君から軽トラを奪い取り、仕事に出かけた。一時間の遅刻。ただでさえ一人で時間が足りないのに、なんてこった!
 
 今月の頭に生まれた子牛たちは、まだほ乳瓶でミルクを飲ませている。生んだ母牛達は、牛舎で過ごしている。いきなり外に出すと、子牛を求めて柵を破って帰ってくるからだ。
 でも、いい加減日数も過ぎて、あまり子牛を呼んで鳴かなくなった。いつまでも入れておくと、餌も減るし、牧草やりも大変だ。
 放牧地に出す事にした。
 赤13えいこと黄12ももしげは、小屋下放牧地に出した。ももかは、強いから灯台下でも大丈夫かなと思って、そっちに引っ張っていった。
 でも、ももかはなぜか、スタンチョンがある柵の中に入れないでいた。入口を忘れたようだ。こういう不器用なところは、若い頃と変わっていない。
 
 緑4番の子宮に、イソジンを注入して消毒した。
 昨日種付けしたが、精液は卵管の奥まで到達しているから、入口付近に注入しても、精子や卵には影響ないと言うが、消毒したときに着けた牛で、留まった事ってあったっけ? 今回留まらなくても、次回にはきっと留まるだろう。
 
 毎日、タオルもシャツもつなぎも、汗を吸って重くなるほど汗だくなると、凄く仕事をしたような気になるのだ。
『汗を出し切りました!』
と言う感覚が、皮膚とか指とかで感じる。
 毎日、これだけ汗だくになって働いているのだから、そのうちきっと良い事があるだろう。