サラサラの朝

 とても綺麗な朝だった。7月にしては、空気が凛としていて、湿度が低く気温が低かった。青空が広がり、海は凪で港に青い潮が流れ込んでいた。肌もサラサラで、とても気持ちいい!
 人口哺乳の部屋には、超早期母子分離したばかりの姫三郎も入って、3頭の子牛がミルクを待っている。うちでは、ほ乳瓶ホルダーを使っていないので、意外に大変である。俺が、二本のほ乳瓶を持って二頭に吸わせ、もう一人がほ乳瓶でデビュー間もない姫三郎に飲ませる。柵の外から飲ませればそれほどでも無いけど、一人で二頭に飲ませつつ部屋の中にいるのは意外に難しい。柵が無いと、それぞれ別々に、どんどん前進してくるのを、適当に誤魔化さなければならないからだ。
 飲ませた後は、口の中に配合飼料を入れてやる。上手く入れると、吐き出さずに食べてくれる。そのうち、もっとくれって催促される。
 
 粉砕した雑草に、テッターをかける。粉砕したから、短時間で乾きやすい! 明日には、ロールできるかな?
 
 本当に、不受胎の原因が温度計なら、これから着ける種はとても高い確率で着いてしまうと言うことなのだろうか? 
 原因に気がつくのが遅かったから、妊娠していない牛が、何十頭もいる。以前と同じ確率で着いてしまうと、ここ一ヶ月の間に何十頭も受胎し、10ヶ月後に大ベビーラッシュが来てしまうことになる。すると、分娩室やほ乳瓶、哺乳ロボットの教育が間に合わず、成長不良の子牛が沢山出てしまうことになるなぁ・・・。
 余計な心配をしていないで、さっさと受胎させろと言う意見もあるけど・・・