受胎率が低かった理由!

 未明まで、雨が降っていた。でも、ホテルをチェックアウトする頃には、雨はやんでいた。今回は、降られなかったなぁ。
 薬屋で、頼まれたひげ剃りを、ほぼ買い占めた。足りるかな? 
 
 港まで歩き、荷物をコンテナに預ける。
 船が出航したら、雨が降り出した。今回は、雨にはついている。錦江湾内は揺れなかったが、外に出たらかなり揺れて、歩くには注意が必要だった。
 
 しばらく留守にすると、仕事が貯まっている物だ。
 K君と作業しながら、何を優先的にするべきか、相談しながら進めた。
 
 俺の牧場で、一番問題になっているのは、人工授精の受胎率の低さだ。去年までは、1〜2回でだいたい受胎していた。所が、今は5回以上種付けしている牛も珍しくない。
 いろいろ原因を調べてみた。
 溶かす時間や、直射日光の影響、窒素ボンベの劣化による精液の活性低下・・・どれも、問題になる程の状態では無かった。牛の管理が悪いとか、栄養状態が悪いとも言われた。かなり反発を感じたが、受胎していない以上、俺には強く否定することは出来ない。
 ふっと、使っている温度計の精度について気になったので、別な温度計を持ってきて調べてみた。すると、2度以上低く表示されていた!
 つまり、こういうことだ。
 これまで、38℃に調整し、寒いときには39℃にして温度低下に備えていたのだけど、実際は40℃以上のお湯を使っていたことになる
 それでも、溶けてすぐに上げていればそれでもまだ活性が残っていたかも知れない。でも、人工授精の講習で聞いたからといって、それまで8秒で上げていたストローを、10秒以上漬けていたから、精液の活性が失われてしまったようだ。
 なんてこった! でも、原因がこれなら、今後の受精では以前の好成績が期待できるのでは無いかな?