7月せり

 競り当日。
 役場まで歩く。今回、傘を忘れたが、何故か歩いているときは、雨が降らない。
 伊集院に着いたら、すぐに着替えて、作業開始!
 各部屋の子牛を、捕まえてロープで繋ぐ。体重等を書いた札を着けて、競り順の場所に引ていていく。繋ぎ終えたら、ブラシで体を磨いて綺麗にする。
 いずれの作業でも、大人しく安心て出来るのは、とても嬉しい。 
 
 競りが始まる前には、汗だくになったが、スコールがあり、涼しくなった。スコールは短時間だが、気温が上がるのを抑えてくれ、助かった。
 
 競り前研修の後、7月競りが始まった。
 やはり、始まってしばらくは、なかなか値が上がらない!
 俺のトップバッターは、千代太郎(岡茂福)だった。286日で298kg。
 電光掲示板の数字は、時々止まりそうな頼りなさで、そのたび俺は焦ったが、納得出来る価格で止まった。心臓に悪いのだ。
 
 午後から、ゆかりとほまれが、出場した。
 ゆかりは、302日で256kgと小さかった。どこまで、頑張れるだろうか? 引いていて、不安だった。同じ日令と体重の子牛が、30万円台まで伸びたが、ゆかりは平茂勝に岡茂ふくを掛け合わせたのに、大きくならなかったので評価が低い。競ってみたら、やはり30万円にあとちょっと手が届かなかった。
 ほまれは、引いていると、ずっと俺の手首や手の甲に鼻先やあごを乗せてきた。いつもと違う雰囲気なので、不安だったのだろう。
 281日で272kg。雌としては、そんなに悪くない。
 帰り際だったので、お客さんも少なくなって、値が伸びなくなっていたけど、とりあえず頑張ってくれた。
 買ってくれた人が、良い人だと良いね。