鹿児島に帰る
長い間、遠く離れていた実家は、長く居られるものでは無い。
俺は、節約のためにも出来るだけ長く居ようと思ったが、やむなく鹿児島に帰ることにした。
帰りも鈍行でと思ったが、4倍以上も時間がかかるのに、値段は1000円しか違わない事を知り、夕方バタバタしたくないので新幹線で帰ることにした。
たぶん、駅を通過する列車は、最高速では無いと思うけど、凄い速さだった。
新八代から鹿児島中央の区間、ネットはほとんど繋がらなかった。景色も見えない。
大荷物のまま、1000円カットの店に入った。
「どうなさいますか?」
「彼女にフラれない程度に、お姉さんのセンスでお願いします。」
「解りました!私の好みの髪型にしますね(^_-)-☆」
だいたいの方針を説明してくれて、納得したのでそれでお任せすることにした。
なかなか話が面白い人で、ボードだけを持って一週間離島に行き、島の人に可愛がられたとか・・・。
あっという間にカットは終わった。
「石田純一みたいで、かっこいいですよ! 絶対大丈夫です。」
石田純一に似てるとは思わないけど、調子のいいお世辞にちょっといい気分で帰る、めでたい中年であった。