突然の出荷

台風の影響で、今朝の船は片道日帰り航海になると言うことだった。通常は、一泊二日で鹿児島と三つの島を往復するのだが、今日は鹿児島を出た船が、三つの島を回った後、そのまま鹿児島に帰るものだ。」いつも通り、仕事を始めた。ルーティンワークの後、黄色77の種付けがあった。
 急いで作業し、種付けに行こうとした9時半過ぎ、電話があった。
「7日出荷予定の牛を、今日の船に積んでください!」
 え〜っ! 予定が立たんよ!
 大急ぎで種付けをして、牛を運搬用トレーラーに乗せた。今回の牛たちは、いずれも従順で、簡単に捕まり、もくしの交換も楽ちんだった。
 
 家畜運搬コンテナに牛を入れてから、すぐに荷造りしたかったが、許してはもらえなかった。牛の引っ越しや子牛の治療など、ギリギリまで頑張った。
 家に帰り、急いで荷造りしたが、バタバタで忘れ物競争だ。夜中までカップ麺しか食べられないのに、ご飯を食べるゆとりも無かった。
 
 台風直前で、海は荒れていた。黒島の片泊港は、停泊できなかった。そのまま、鹿児島に向かった。
 
 港に着いたのは、7時20分だっけ?鹿児島は、火山灰に埋まっていた。それから、伊集院まで走り、子牛が来るのを待った。
 子牛が来たとき、あたりは真っ暗だった。明かりをつけて作業したけど、目印のリボンが見えなかったりして、混乱した。
 でも、意外に早く片付いた。