雨がシトシト降っていた。この程度の雨なら、勤労意欲を打ち砕かれることは無い。

 左手の怪我は、えぐれた肉が盛り上がってきたが、まだ皮膚が出来ず、浸出液がまだ減らない。看護師さんに、安静にしていないと、せっかく治療しても無駄になると怒られたこともあるが、毎日昨日の写真のように汚れてしまう。肉体労働だし、手を使わないわけにいかないのだ。力入れると痛いし、血が出るし・・・。
 毎日、包帯を変えているけど、三本しか無い包帯を、お椀に洗剤液を入れて、箸でゆすって洗っている。一晩浸け置きして、ゆすいだら、タオルに包んで絞り・・・面倒臭い! 早く、治んないかな?

 チビーズの和泉太郎と富士太郎は、一日一回の減乳を始めた。配合飼料の食い込みを促進し、胃袋を育てるためだ。
 哺乳ロボットに任せないのは、手でやる方がきめ細かく世話が出来、少しでも大きく出来るかと思ったからだ。一昨年双子で生まれた武蔵と小次郎は、とてもチビだったけど、出荷の時には標準の大きさに追いついていて、どちらも40万円を超えた。今回のおチビ達は、それより小さいけど、手をかければ大きくなるかと思って・・・。
 北海道時代は人工哺乳だったが、哺乳ロボットより沢山の配合飼料を食べさせることに成功していた。人手が足りているなら、手でやる方が良いのだ。

 灯台放牧地で、後ろ足をひきずり痛そうにしていた緑3ふくは、削蹄してやった後、様子をみるために小屋下放牧地に入れていたがさっぱり餌を食べに来ず、姿が見えなかった。妊娠牛だし、心配なので探しに行った。ふくはスタンチョンまであと少し、という場所で横になっていた。近づくと立ち上がり、左後ろ足をひきずりながら歩く。
 幸い、小屋に余裕があるので、入れてやることにした。

 5日に初産し、養生中のももかの部屋に入れようと、扉を開けると、ももかはふくのそばにより何かを確認するようににおいをかぐと、開いている扉からスッと出て行った。スタスタ歩いて、ふくひめとみずほがいる部屋の扉の前から動かなかった。
 出産前まで同室で仲良く暮らしていた3頭。とくにふくひめはいっしょに船に乗ってこの牧場に来た同舟だ。牛にも親友がいたりするのだ。部屋に入ったももかは、ふくひめたちとピョンピョン跳ねて、再会を喜んでいた。  

 しょっちゅう、ひかり(安平)が脱走してくるから、灯台下放牧地のバラ線を見に行った。
 すると、先日修理したばかりのバラ線が、すでにちぎれていた。錆びた支柱に触れると、あっという間に錆びてしまう。
 一段しか残っていないバラ線を、三段張りにした。

 補修中、馬事公苑の友人から電話があった。
 ソックスに乗る騎手が、決まりそうだ。俺は体重が重いから、軽量のソックスには圧倒的に不利である。ポニークラスは小学生が乗ることが多いので、体重差40kgほどもあると、とても厳しいし、ソックスはまだ新馬で扱いが難しい。
 ウエスタンの鞍では無く、競馬用の軽い鞍で乗り慣れた、クラブの少年が乗ることになりそうだ。
 ソックスの出るポニークラスは、60頭以上出場する激戦区で、かなりの強敵も居るそうだ。単純な速さだけで無く、コース取りや駆け引きが、勝敗を分けるかも知れない。勝ちに行くよ!

  黄色165たのもし種付けした。