土砂降りの日

 朝から、雨だった。牛舎間を移動すると、分厚いつなぎが濡れて、重くなるのを感じた。髪からも、水がしたたる。

 昨日、超早期母子分離した百華太郎と強志太郎は、腹を空かせて泣いていた。空き部屋が無かったから、一時的に三頭部屋になっていたが、実に仕事しにくかった。
電柱牛舎から、二頭卒業させて大牛舎に引っ越しさせた。空いた部屋に、和泉太郎と富士太郎を入れて、哺乳子牛六頭は、二頭ずつに出来た。

 ミルクロボット小屋に、糖蜜を持って行った。
 出迎えてくれたのは、こころと春幸次郎だけだった。他の子牛たちを一頭ずつ追い詰め、吸わせて思い出させてやった。一応、全員飲めた。

 やがて、猛烈な雨と風になり、種付け用の枠場を屋根の奥まで引き込んで種付けしたのに、パンツまでずぶ濡れになった。 
 種付け後は、一歩も外に出られない状況だった。電柱牛舎には、防風ネットカーテンを下げて、横殴りの雨を防ごうとしたが、今日は全く機能しなかった。子牛も床も、ずぶ濡れだ。
 こういう自然には、立ち向かっても敵わない。一旦、家に帰ってシャワーを浴びた。

 子牛が気になるから、早めに牛舎に戻り、まず子牛の敷きワラを交換した。
 新しい敷きワラが入ると、子牛は嬉しそうにうずくまった。