馬三昧な日

予定通りなら、俺は6日の船で島に帰る予定だった。
 だが、4月3日の船が欠航したので、一日延期になり、4月4日の船に乗れることになった。だが、今日も船は欠航した。
 波予報では、朝方まで三島海域には高波が残るが、船が錦江湾を出る頃には、治まりそうだった。でも、欠航した。
 この船には、新学期から島の学校に赴任する先生達の、引っ越し荷物

が積んであって、最初から二日も欠航するなんて、かなり焦っておられるともう。

 俺は、すぐに予定を切り替え、ポパイやソックスの様子を見るために、馬事公苑に行くことにした。 
 娘さんの要望で鹿児島に上がり、帰れなくなっていた従業員さんも、様子を見るために同行することになった。

 連日の練習で疲れ、馬房に近づいても顔を向けるだけで、近寄りもしなかったソックスだが、今日は窓から顔を出して挨拶してくれた。
 撮影のために、長時間拘束されたポパイだが、疲れは取れた様子だった。
 友人による、ソックスの調教を見た。
 馬場に引かれていくソックスは、気だるそうに歩いているのに、馬場に入った途端スイッチが入り、きびきびした足運びの馬に変わった。速歩を見るだけで、足の速さを予想できるほど、はじけるエネルギーを感じた。
 俺が乗り換えたら、走れの合図を出していないのに、駆け足が始まり、どんどん加速する。放置すると全力疾走になってしまう。手綱を絞るが、俺の操作が新馬のソックスにはきついみたいで、なかなかコントロールしにくい。体がしまり、腹帯が緩くなっていて、急な動きに体がついて行きにくい。
 競馬に出すには、オンオフのハッキリした気合い十分な馬だけど、乗馬に使うには危険すぎるなぁ! 年を取ると、もっと落ち着いてくると思うし、子供を産むと大人しくなる傾向があるから、今は浜競馬の優勝を目指そう! 
 調馬策を着けて、従業員さんが乗ってみたが、あっという間にずり落ちてしまった(笑)。

 今回は、なかなか島を出られない従業員さんの慰労が目的だった。
 ビッグマンに乗ってもらい、友人が手取り足取り、指導してくれた。
 俺は、一度もちゃんと指導を受けたことが無く、周りを見て何となく覚えたりしていたのだが、教わっているのを聞いて、なるほど!と納得したりした。
 その後、ポパイにも乗った。
 せっかく、馬を飼ってるのだから、もっと乗馬も生活も楽しみたいと思った。