4月競り

 競りの当日だ。6時に起きて、出発した。
 雨が降っていた。途中、ワイパーが聞かなくなるほどの豪雨になり、朝食のために車を降りるのもはばかられた。コンビニのサンドイッチとレインコートを買って、伊集院に行く。
 真っ先に子牛に餌を与え、レインコートを着る。ときおりバケツをひっくり返したような強い降りになるが、徐々に空が明るくなり、雨は上がった。だが、一時的に強い冬型の気圧配置になるために、北風が吹き荒れて、寒くなった。みんな、震えていた。

 俺の牛は、マリリンが引くものだと認識している人が多く、何で来ないんだ! とお叱りの言葉をかけられた。マリリンは、仕事が決まったから・・・。競り会場に、俺が牛を引いていったら、石や空き缶が飛んでこないかと、ちょっと不安になった(^^ゞ
 俺の牛のトップバッターは、まめこだった。
 大きくなって欲しい子牛に、着けるべき名前では無いと後悔しても遅い。298日令で239kgのちびっ子牛は、肥育屋さんには評価されない(T_T)。
 
 実は、春休みで鹿児島に来ている娘さんの要望で、従業員さんも昨日鹿児島に渡ってきていた。今朝の船で帰るつもりだったが、船が欠航したから、競りを見に来ることになった。留守は、アルバイトのK君が守っている。従業員さんが島を出たわずか一日の間に、子牛が3頭も生まれていて、大変だったらしい。
 伊集院駅まで二人を迎えに行ったが、とても薄着だった。多少、暖房の効いている競り会場に入ってもらい、午後から二頭引いてもらうことにした。

 午前中の相場だが、肥育元牛も繁殖用の牛も、あまり値が伸びず、元気が無いなと感じた。だが、午後になってお客さんが増え、相場は持ち直したようだった。
 姫次郎(百合茂)を引いて行った。
馬関係の知り合いの方が、姫次郎に興味を示してくれていて、期待がかかる。
 良い値段がした!
 馬のことは、遊びなのだけど、そうやって友人を増やすことで、鹿児島が住みやすい場所になってくれたら、嬉しいと思っている。