子牛の出産を見た

風が吹いていて、今朝の船は欠航した。

 牧場に上ったら、白28かずえと赤4ふじが、牛舎に帰ってきていた。黒島崎放牧地にいた牛なので、飛行場のフェンスの破れ目から出て、滑走路を横切って帰ってきたようだ。K君が苦慮していたので、ロープで捕まえ、えのと二人で引いて行った。

 牧柵の修理は、利用者の義務だと思うのだが、飛行場のフェンスは村の管理で、空港管理人がするべき仕事と思うのだけど、やらない理由でもあるのかな? とりあえず、応急処置をして脱走できなくした。修理している側から、カズエが脱走しようとして、バラ線に引っかかり怒って吠えていた。
 帰り道、雨脚が強くなった。一応、傘を持ってきていたが、風が強くてあまり役に立たない。

 見回りに行こうと思ったら、激しい雨が降り出した。屋根の無い所に出ると、一瞬でずぶ濡れになる程の豪雨だ。防風ネットカーテンを閉めて、屋根の下に逃げ込む。

 仕方ないので、晴れた日は時間を取れない、農業用猫の去勢手術をした。
 獣医さんに電話して、麻酔の量を教えてもらった。去勢しないと、雌猫を求めて出て行ってしまうし、マーキングが臭い。ここに定住してもらうためにも・・・
 えのは、そういうのが苦手なので、昨日一日休んだ紫蘭と、茂吉が手伝ってくれた。おかげで、2頭とも手早く手術が出来て、良かった。

 昼飯に帰ろうとしたら、赤15とまと(忠茂勝)が、一次破水していた。出産を見たい牧場体験のお嬢様方には、出てくるシーンを全部見て欲しかったので、食事は事務所で食べることにした。今日のお昼は、黒毛和牛の直火焼き肉だ。
 昨日食べるつもりで解凍したので、ちょっと色は悪くなっていたが、味はバッチリだった。
 黒毛和牛もも焼き肉用を頼んだのに、綺麗なサシの入った上物だった。皆、大喜び!

 見張りから、足が出てきたと報告があり、みんなで移動した。
 とまとは、とても神経質な牛なので、遠巻きにして静かに見学してもらった。やがて、鼻先が見えてきたが、そこから先が全然進まなくなってしまった。
お産が長引くと、胎児が疲労するので、引っ張ってみようと思ってとまとを繋いだのだが、とまとは尻を振って胎児をつかませなかったので諦めた。
 一旦引っ込んでしまった胎児だが、やがてみんなが見ている前で生み出された。みんなは、名前をつけられる雌を望んでいたけど、生まれたのはちょっと大きめの雄だった。苫戸二郎(安平幸)となった。

(ここから茂吉が書きます^^)
 生まれてから一時間以内には立ち上がって母乳を口にするのが望ましいらしいのだけど、みんなでチラチラ見ていても、とまと二郎は立ち上がった気配がなかったので人工のミルクをあげることになりました。
 立ち上がろうとはしてるんだけど、途中でバキッと膝がくずおれるのね・・・。だけど人工のミルクをあげたらときどき立ってくれるようになりましたので、明日にはぴょんぴょん跳ねてくれるといいな。

 それから子牛を2頭、お引っ越しさせました。糖蜜を吸わせながら移動しました。何事もなくすんなり終わったので、こんなもんなのかと話を聞いたら違うみたい。
 他のとこじゃ縄でしばって引きずってつれていくんだそうな。ここのこはしあわせだなー。いいなー。
 
 ポパイともう二日もあってない。寂しい;; 

 夜は、みんなでカンパチのにぎり寿司を握った。相変わらずシャリが大きかったし、酢飯がもう少し美味しく出来たら良いのだが、それなりに進歩していると思う。