7時半の揚水ポンプスイッチを入れるのは、どんなに眠くてもサボれない。
 従業員さんから電話があり、今日は休むから、ホークを迎えに来て欲しいそうだ。彼女が休みたいというのは、とても珍しい。

 美幸太郎は、とても元気が良く、母乳に吸い付いたり跳ねたり・・・。ミルクが足りている子牛は、元気が良い。

 Kくんとホークに指示をして、仕事に滞りが出ないようにする。
 子牛というのは、誰がやっても同じだけエサを食べるわけではない(と思う)。見慣れた人が、声をかけながらやると、子牛は安心して食欲が増す。また、必要量をまとめて給与するより、始めに食べきる量を与えて、おかわりをさせるやり方の方が食べるようだ。もちろん、おかわりをするタイミングも重要で、マッタリくつろいでしまう前にしないと、逆効果だ。ちゃんと食べきるまで、声をかけ、エサをほうきで集めたり散らしたり・・・。

 角の切り口から、膿が出ていたハナコ(第一花国)だが、治ったし受胎もしたので、湾放牧地に連れて行く。引っ張るのは、ホークだ。何カ所か難所があり、そこは二人がかりで乗り切る。

 灯台下放牧地の赤10おとひめを、牛舎の枠場まで引いて行って、種付けをした。
そのとき、となりに居た黄色24まつしまの尻の毛も抜けて、血がにじんでいた。タイミングは不明だが、こっちも発情である。午後から着ける。
 今の段階では、俺は直腸膣法で頚管を通す技術が未発達で、確率が低い。アールグレイさんの助言に従い、膣鏡で覗いて挿入機の先端を子宮外口に当てた状態で、膣鏡を抜き、直腸に手を入れてみた。すると、簡単に通った。なるほど! 瀬棚に居る頃、新人女獣医さんが、膣鏡を使いながら直腸にも手を入れていたのは、このためか? やっているうちに、コツをつかめるだろうか?

 串木野浜競馬に参加するために、ポパイとソックスには、出来るだけ乗りたい。結果として、海が好きなホークに、ウミガメを見る海中案内や、シットオントップカヌーによる海上散歩が、出来ないでいる。でも、あれこれ中途半端に手を出すより、ある程度形が見えた方が良いのかな?

 ソックスの騎乗は、ますます怖ろしい。高速で走りながら、左右に飛び跳ねるので、体がついて行かない。さらに、バラ線の外柵ギリギリを走るので、バラ線や支柱の上に落とされそうだ。一度、まともに突っ込みそうになって、必死に向きを変えた。
 そういえば、従業員さんは昨日ソックスに乗っていて、それから体調を崩したようなことを言っていたっけ・・・。