ソックスの駆け足


 今朝は、7時半から獣医さんが来る予定だった。初めは、俺がホークを7時20分に迎えに行く予定だったが、水道ポンプのスイッチが35分だから、休ませる予定だった従業員さんが牛舎に向かう事になっていた。
 スイッチを入れた俺は、みんなが待っているはずの、湾放牧地に行った・・・空が明るかった・・・風が吹いていた・・・誰も居なかった・・・
 ちょっと遅れたが、湾放牧地の若牛たちの鼻紋取りと、妊娠鑑定だ。
 鼻紋取りは、牛を押さえつけ方が上手ければ、だいたい成功する。うちの牛も、かなり大人しくなり、不要な力は要らなくなったが、鼻の頭にインクを塗ると、舐めたがる牛もいるし、鼻紋を取ろうとした瞬間に、顔をねじるのもいる。
 でも、連動スタンチョンのおかげで、こういう検査が楽にできるようになって、本当に良かったな!

 ホークとK君は、イタリアン畑に行き、刈り取った草をコンテナに詰めてくれた。親牛たちは、大好きなのだ。
 ロールサイレージを、旗竿下の草架に運んだり、哺乳ロボットを卒業した三頭を、電柱牛舎に移動させたり・・・。

 早めに昼食を終え、乗馬にした。
 まずは、お手並み拝見だ。
 ポパイに馬装して、とりあえず乗ってきて良いよ! って送り出す。つなぎ馬にしているところから、動きたくなさそうだったポパイだが、俺が声をかけたら動き出してくれた。言葉が通じるのかな?
 今日が、乗馬体験三回目のK君に対し、馬の会(?)で何年も乗っているホークは、手綱さばきは大丈夫だった。でもいつも小さな馬で、ポパイほど大きな馬に乗ったことは無いらしい。早足もあまりしていないらしいが、それなりに乗れていた。
 俺は、ソックスに乗る。
 前に進み、行きたいところに行く。それほど長くない距離なら、速歩も安定してきた。駆け足に挑戦した。
 ソックスは、とても運動神経が良く、空中で体をよじりながら走ることもあり、騎乗中にそれをされたら、絶対に落馬する。プレッシャーは、徐々にかけていく。
 走り出したと思ったら、一気に加速してトップスピードに・・・手綱を少し引いて、速度を落とさせる。
 速くても、安定して走れば、乗っていられる。でも、ソックスは急加速したと思うと、左右に揺れ動き、急停止したりする。なかなかスリリングな乗馬体験だ。楽しい♪
 ポパイは、ホークに代わってK君が乗った。三回目の乗馬になるK君には、ポパイの心拍数を上げたいから、駆け足にするよう要求した。駆け足の合図と、注意するべきことをちょっと話しただけで、彼は出かけて行った。そして、頑張って走っていた。走った方が、乗り心地が良いんですねと、うれしそうに話していた。