雪の二月市場

 競り当日だ。12時に寝たので、4時ちょっとには目が覚めてしまった。布団の外は寒いので、ゴロゴロする。
 北海道は、氷点下まで下がるが、出力の大きなストーブがあるから、部屋の中は暖かい。小さなストーブしか無かったり、暖房が無い鹿児島の方が、室内の温度は低い。だから、北海道の人が鹿児島に来ると、シモヤケが出来やすい。
 そういえば、俺は北海道時代から、ヒートテックや股引を履いていなかったけど、こちらの人はみんな使っているらしい。あれは、一度使うと、体温調節能力のレベルを、股引を履いた状態に下げてしまうから、容易には離れられなくなる麻薬のようなものだ。
 冬山に登っていたときのように、11月まで毛布だけで寝たり、いつも薄着で行動したり、冷水を頭からかぶったりすると、代謝が上がりすぎて、普通の人と同じ空間に居られなくなってしまうから(暑くて)もうやる気も無いが、あまり甘やかすのも好きでは無い。
 K君と二人6時に出発し、6時半に万世ストアーで、マリリンの車に乗り換えて、伊集院に向かった。雪がちらつき、マリリンは帰りの心配をしていた。着脱簡単な、プラスチックチェーンを買ったら良いと思うが・・・。
 市場に着いたら、雪はさらに強くなった。
 手早く着替え、牛を捕まえて、競り番号と体重を書いた札を着ける。それを、所定の場所に引いていき、全部つなぎ終えたら、ブラッシングする。マリリンにも手伝ってもらい、綺麗に仕上げる。
 競りが始まってみたら、先月並みの相場のようだった。
 うちのキキは、小さいけど、人気の華春福(華春福←神徳福←平茂勝)。掛け合わせとしては、ちょっと間違っていると思う(反省)。結果は、日令295。体重251kg。329000円。悪くない値段だと思う。
 雪は、さらに激しく、寒い中にマリリンを置いておくのも忍びなく、ちょっと出かけることにした。
 と言っても、伊集院の本屋さん。互いに、全然違うジャンルの本棚に行き、銘々勝手に時間を過ごす。また、雪の中で弁当を食べさせるわけにもいかないので、フレンチバイキングのレストランで、早めの昼食をとる。一人1300円なり! 美味しくて、平日だったけど、お客さんが沢山入っていた。
 べにこは、250日令で224kg。248000円だった。競りの一番最後だったので、みんな帰り始めていた。
 今回は、二頭しか連れてこれず、しかも小さくて安かった。今後は受胎率を上げて、毎月6頭平均で出荷でき、しかも粒ぞろいになるよう、頑張ろう。
 ここ数日の写真は、近日中に載せますので、しばらくお待ちください(o_ _)o

 7時半の揚水ポンプスイッチを入れるのは、どんなに眠くてもサボれない。
 従業員さんから電話があり、今日は休むから、ホークを迎えに来て欲しいそうだ。彼女が休みたいというのは、とても珍しい。

 美幸太郎は、とても元気が良く、母乳に吸い付いたり跳ねたり・・・。ミルクが足りている子牛は、元気が良い。

 Kくんとホークに指示をして、仕事に滞りが出ないようにする。
 子牛というのは、誰がやっても同じだけエサを食べるわけではない(と思う)。見慣れた人が、声をかけながらやると、子牛は安心して食欲が増す。また、必要量をまとめて給与するより、始めに食べきる量を与えて、おかわりをさせるやり方の方が食べるようだ。もちろん、おかわりをするタイミングも重要で、マッタリくつろいでしまう前にしないと、逆効果だ。ちゃんと食べきるまで、声をかけ、エサをほうきで集めたり散らしたり・・・。

 角の切り口から、膿が出ていたハナコ(第一花国)だが、治ったし受胎もしたので、湾放牧地に連れて行く。引っ張るのは、ホークだ。何カ所か難所があり、そこは二人がかりで乗り切る。

 灯台下放牧地の赤10おとひめを、牛舎の枠場まで引いて行って、種付けをした。